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平成六年一月、当時高校二年生だった僕は高校を辞めた。
辞めた理由は、学校で禁止されていたアルバイトが見付かってしまったからだ。見付かった理由も、当時彼女だった僕より一つ年下のMとの間で流行ってた手紙のやり取りだった。その当時は、携帯がなく、ポケベル持っているのが羨ましい時代だった。
アルバイトなんてやってらんない!その一文が僕とMの人生を大きく変えた。
友達には辞めるな、勿体ないと、言われたがオカンとMは、辞めてもいいよ。と、言ってくれた。僕自身、高校生活に嫌気がさしていたので辞めた。
Mとは違う学校だったけれど、同じ電車で通学していた。僕が学校を辞めてからでも、学割定期券が残っていたから、毎朝、Mの学校まで一緒に送って行った。ただ、その帰り道、一人になった僕は、学生服を着た人を見ると、寂しいと同時に虚しい気持ちでいっぱいだった。それを察してか、時々、Mは学校行きたくない。と、言い出し、一日中僕の布団の中で過ごした時があった。
もちろん、無職だった僕に一人暮らしなんて出来る訳がなく、祖父母、両親、それに弟の六人家族の家の僕の部屋で。平日の昼間に十六、七の男女二人が家にいるのはアヤしいと、普段家に居た祖父が何回も様子を見に来た。確かにアヤしい事をしていた…
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