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そして六月、Mには一番最初に報告した。僕が借りたアパートはお世辞でも綺麗とは言えなかった。2DKで家賃が4.1万円、僕の給料が手取りで12万円、これが精一杯のところだった。けど、Mは素直に喜んでくれた。たまには泊まりに来てもいい?と、聞かれたから、いつでもいいよ!と、答え、合い鍵を渡した。
オカンには一人暮らしすると言ったが、本当はこれが狙いだった。MをMの親父から守ってあげたかった。少しでも一緒にいたかった。
Mがパート終わって、アパートに居るってポケベルが入って来るのを楽しみに仕事していた。アパートで下手なんだけど、一生懸命料理しているところがすごく良くて、おかえりの一言で、仕事であった、嫌な事とか疲れが一気に無くなった。なんか僕だけこんなに幸せでいいのかな?って思ってた。Mが実家に帰ってると、なんか寂しい感じになって来た…僕にはMしかいない…そう思えて来たのは六月の下旬だった…
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