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貴方を思えば思う程、募る気持ちを消せない数だけ痕にして…。
冷えた手を握り締める度、強く確かに伝わる鼓動…。
何故と問う儚げな想いさえ、凍てつき果てるだけ…。
貴方は生きて、ここに在る。それは紛れもない真だけど…。
目にした形は残酷過ぎて…全て偽りだと信じていたかった…。
例え様の無い悲しさに囚われて、小さな指から静かに零れた赤い糸…。
再び繋ぎ合う事を夢見て、今日も鈍い光を放つ。
その姿を剃刀に見出しながら…。
赤く…。
朱く…。
もっと紅く…。
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