二学期

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「アキト君も、一緒に帰るの?」 「あ?ああ、そうだけど……」   振り返って、俺は編山の表情に思わず言葉を止めてしまった。     確認のために聞いて来たのだろうと思っていたが、編山の表情は、まるでアキトを鬱陶しげに見るような、少々棘のある顔だったからだ。     今回以外にもアキトと一緒に帰っていた事はあったし、編山もそれについては知っていると思ったのだが、なんでそんな表情を浮かべるのかは謎だった。   ただ、その表情はいい雰囲気を覚えるものではないと、俺はすぐに直感する。   「編山、アキトと帰るのは嫌なのか?」 「はぇ?あ、い、いえ!そんな事は全然……」   手を左右に振って編山はごまかそうとするが、俯く表情には不可思議な陰りが見えるようだった。   アキトも不思議そうに編山を見て、俺の方を心配そうに見る。 俺にそんな目を向けても、俺だって分からないから答えられる訳がない。     ただ、目には見えない何かがずれているような、そんな気まずさに俺は少し、不安感さえ覚えた。
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