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「とは言ってもね、ぶっちゃければあと一か月で準備出来るのは限られちゃうから、残るとしたら……」
そう言って名宮は、あれだけ書いた文字列のほとんどを消した。
だったら書くな、チョークの無駄遣いだろうが。
結局残ったのは、三つ。
お化け喫茶
バンド喫茶
コスプレ喫茶
「ちょっと待て」
「なにさ、沫君」
「なにさじゃない。最初の二つはなんなんだ」
何だよお化けとバンドって、意味が分からない。
「あ~、お化け喫茶っていうのは、みんながお化けに仮装して喫茶をするんだよ。暗い店内に不気味なお化け、恐怖を味わえてお茶も頂ける二乗効果!」
「……もう一つは?」
「バンド喫茶はそれぞれが楽器を持って来て演奏するんだよ。カラオケ気分にもなるから、知ってる曲があればみんな盛り上がるナイスな喫茶だよ!」
……なんて言ってやればいいんだろう。
「……あのなあ」
「でもそれだと、どっちも色々と時間かかるし、設備や他の人に迷惑がかかると思うよ?」
真治がまともに意見した!
どっちかというと内容より、そっちの方が驚いた。
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