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「ニイニ…。」
「ん?」
「僕、世の中をもっと見たい! もっともっと優しい人、犬や猫…たくさん会いたい!!」
「でもいいコトばかりじゃ…。」
「大丈夫だって!」
ウォアはニッコリ。
「ウォア…。」
ニイニは突然くうんと鳴いた。ウォアはサッシから見下ろしていたニイニの横にまたタッと飛び乗るとニイニの鼻をぺろっ!!
「きゃっ!! …もう。」
「戻ってくるよ。優しい君に会いたくなったら。」
「うん。待ってるわ。」
ニイニは鼻をウォアの顔にこすりつけた。
ウォアはまたタッと飛び下り、玄関の鉄格子の前で振り返る。
「ウォア、気をつけて。」
「うん。ニイニも元気で…ありがとう。」
キラリ!!
ウォアが向き直した時毛の髪止めに朝日が反射した。真っ黒な毛の黄色い髪止めが…。ウォアは鉄格子のすきまから元気に飛び出した。
ニイニは彼の行った先をいつまでも見ていた……。
【出会い】
-END-
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