~地獄~

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一ノ瀬さんは未だに男の手を離そうとしていた。 『お前は女だから男の力には勝てないよ。俺を振ったんだからな、それなりの事してもらうぜ。』 シオン『(マズイよ。絶対危ないって。誰か助けてよ!)』 すると、桜の木の裏から誰かが出てきた。 カズヤ『嫌がってるから止めましょうよ。』 シオン『カズヤ君!!』 『何か用か?こっちは只今取り込み中なんだよ。』 あれ?この人どこかで見たような顔だな。どこだっけな? 『お前みたいなブサイクはこの世から消えた方がいいぜ。』 カズヤ『弱い犬ほどよく吠えるってな?』 すると、その言葉に怒ったのか、一ノ瀬さんを離して俺に向かってきた。 そして、鋭いツキを繰り出した。 俺は紙一重で交わした。 カズヤ『あぶなぁ!』 『よく交わしたな。俺は空手部の副主将だ。』 あぁ。見たことあると思ったら部活紹介で木の板を蹴って割ってた人か。 カズヤ『(これは俺も本気でやらないとなぁ。)』 俺が構えると、相手も構えた。 すぐに終わらせるには相手の正拳をカウンターで合わせるぐらいかなぁ。 『死ねよ!オラッ。』 鋭いツキが繰り出されたが、上田さんのパンチに比べたら軽いもんだ。 俺はカウンターで相手の顎にフックをおみまいした。 相手は崩れ落ちた。
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