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『…碇シンジです。宜しくお願いします。』
伯父の家を出て、父の住む第三新東京市に引っ越してきた僕は、第壱中学校に転入した。
当然のことながら馴染みのないこの街に馴れるには時間がかかるだろうし、
なにより、また新しい人間関係を作っていかなければいけない面倒臭さ。
『じゃあ碇くんはそこの席についてね。』
『…はい。』
先生に言われた“そこ”は、中央列の前から4番目、教室のど真ん中だった。
微妙な心境になりつつ席につくと、物珍しい転入生が気になって仕方ない、といった視線が前後左右から突き刺さる。
―あぁ、うざったい。
そんなソワソワした雰囲気の中、ロングホームルームが始まった。
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