ささやかな幸せ

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『・・・・っ』 擦れた喘ぎが周りの空気を震わせる。 閉じることを阻まれた口腔をざらりとした熱い舌に捕われ菜月はきつく目を閉じた。 薄い舌が絡み合い、熱く吸いつくように柔らかい良平のものが菜月のそれに触れ、味わっては引き上げていこうとする。 押し割られた大腿の辺りから徐々に湧き上がってくる疼きに菜月は身じろいだ。 だが良平は開放を望んで逃げる彼女を捕え、長く執拗に行為を繰り返す。 息苦しさと熱っぽさに意識が溶けるようだった。 『ん・・・っ・・』 呑み込みきれない声だけが菜月から漏れると、良平は満足したように体を離す。 しとどに濡れた唇が大きな息をつくのを眺めながら、良平は荒い呼吸と共に大きく波打っている白いブラウスのボタンに指をかけた。
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