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間から少しずつ顔を出した。
(!!!!なんだこれ!!!!)
それは酷い有り様だった。
床、壁、天井がさっき見た空の色にそっくりの色が所々塗りたくられている。
臭いもひどく腐ったにおいだ。
隆貴は急いで足場の悪い階段を降りて玄関から……いや、この場から逃げようとした。
靴に履き替えようとしたが、靴もあの変な血糊で塗りたくられていた。
(ベチャ....ベチャ....)すぐ後ろの階段で血糊を踏む音がする。
(!!!母さん!!!!)
それは隆貴の母さん...だと彼自身も思ったのだろう。
しかし、それは似ても似つかぬモノであった。
まず注目する所が足だった。
足一面に釘らしき物が刺さって、そこから汚らわしい膿がでている。
それが足を伝って床に垂れていて、まるで蝋燭のようだ。
顔は本来目があるべき所は不気味な長い黒髪がかかっていてよく見えない。
口も耳まで裂けていて、足同様に膿が垂れている。
隆貴は恐怖で硬直してしまった。
一歩一歩それは近づいてきている。
(ベチャ...ベチャ...)
とうとうそれとの距離は吐息がかかるほどまでになっていた。
ゆっくりと奴の手が…いや、手のような管の固まりが首に回された。
それは粘膜に覆われていてぬるぬると不快だ。
隆貴の意識がすーっと薄れていった。
その時だ。
「バン!!!」
玄関のドアをけり破り誰かが入ってきた。
「オイ!!!大丈夫か!?」
隆貴は我に帰り、反射的に首を締めているやつを突き飛ばした。
そして我を忘れて玄関から飛び出した。
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