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「あたいの爪は、相手の心を引き裂く魔性の爪…。一度、この爪に掻かれ、快楽の痛みを知った者は、みんなこの爪の虜になるのよ。」
俺には見えなかったが、あの女の周りに倒れている下っぱたちは、みんな苦痛の顔ではなく、まるでマタタビでも嗅いだようにふぬけになっていた。
女のもとに、さんまが歩み寄る。顔から察するに、相当怒っているようだ。
「たら!!貴様、ボスに散々目をかけられてたというのに、恩を仇で返す気か!!」
すると、その女(たら)は、さんまを鋭い目付きで睨んだ。
「ふん…あたいはあんたらに、何の恩義も感じてないよ!女を散々食い物にしてきたくせに…。それだけじゃないよ…あんたとぶらっくばすは……。」
そう言うと、たらの目に大粒の涙が浮かんだ。
「あんたらは…あいつを…。」
たらはプルプルと震えていた。
さんまは、その様子を見て、ケタケタと笑った。
「ハッハッハ…!そうか、お前はまだあれを引きずっていたのか!女々しいという言葉は、このためにあるんだな!!」
それを聞いたたらは、怒りでさらに震えた。
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