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俺は、いまだに下っぱたちの下敷きにされ、ぶらっくばすの爪にやられていた。
ぶらっくばすは疲れたのか、途中で引っ掻くのをやめた。
「ふん、なかなかしぶといな。これだけやっても、顔色ひとつ変えないか。」
俺は、ぶらっくばすの方を見て、にっと笑った。
「へっ…こんなの…まぐろの爪に…比べたら…喉に引っ掛かった…毛玉みたいなもんだ。」
俺がそう言うと、ぶらっくばすは、さらに力を込めて、一回引っ掻いた。
俺は少し顔をしかめてしまった。
「口の減らない奴だな。」
「かつおさん!」
ぶらっくばすに捕まったままの、おかかの目から涙がこぼれる。
俺は、また必死に下っぱたちを押し上げようとする。
「くそっ……どけ…このやろう…!!!」
しかし、一向に上がらない。
ぶらっくばすは嫌らしく笑う。
「にひひひ!そんなにこの女が大事か?人間に捨てられたこの女が!!」
「……!!!」
その瞬間、俺の身体全体にかつてない衝撃がはしった。
おそらく、おかかにも…。
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