事の始まり

70/73
前へ
/104ページ
次へ
明くる日、ジェイは夜明け前に目を覚ました。 今までと比べて柔らかすぎる寝台は、恐ろしく寝心地が悪い。 疲れがたまった体でなかったら、寝付くことができなかったに違いない。 絹布が幾重にも襞になり垂れ下がる天蓋が、柔らかな寝具に埋もれる彼に、今にもその手を伸ばしてきそうだ。 ジェイはそろそろと床に降り立ち、確かな感触が足の裏に返ってくることに安堵した。
/104ページ

最初のコメントを投稿しよう!

47人が本棚に入れています
本棚に追加