序章

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僕の父マクドール・シードは自国ニーナ国の第二近衛隊の隊長を勤めていた。部下や回りの人々にも慕われて自慢の父だった。 ある日の夜だった。とんでもない事件が起きた。ニーナ国王が暗殺された。この緊急事態に当然父も出動した。犯人を探す為、お城周辺や城下町に至るまで捜索が始まった。 その中で父は怪しい影を見つけ、それを追っていた。 「まっ待てー‼」 城の裏の林の中でその影を追い詰めた。その時父はその姿を見て驚いた。 「アッサム近衛隊長⁉」 影の姿は第一近衛隊のアッサム隊長だった。しかし、その形相はとても正気とは思えなかった。目は黒く、口はニヤけている。そして返り血なのか鎧や剣は血塗られていた。その刹那、彼は父に襲いかかってきた。 キィィン‼ 父は一撃目をなんとか受け流した。 「アッサム隊長‼これはどういう事ですか‼」 父の問い掛けにも反応しない彼は再び襲いかかる。 ザシュッ‼ 父は彼の攻撃をかわし、彼の心臓の辺りに剣を突き刺した。彼はそのまま動かなくなり、その後彼の体から怪しい湯気の様な異様なものが現れ消えていった・・・。 その数分後味方が発見したが、この者達は第一近衛隊だった。 一人の兵士がアッサム隊長の遺体に寄る。 「‼しっ死んでいる・・・」 そう呟いた瞬間、他の者達が一斉に父の回りを取り囲み、 「国王暗殺及びアッサム近衛隊長殺害であなたを捕えます」 その言葉に父は驚いた。何回も違うと弁解したが伝わらず。そのまま牢屋に連れて行かれた。 数日後裁判前に父と面会が出来た。その時、父は僕を見るなり必死に語りかけた。 「フォレス・・・私はこの後の裁判で死刑になるだろう。頼みがある。私は国王暗殺はしていない。だが、今それを証明し話した所で民は信用しないだろう・・・だが、お前は信じてくれると思うから、あの日にあった事を今から話す。俺には黒幕が必ずいると考えている。だから代わりに真実をつきとめて黒幕を捕まえてくれ」 そう言うとあの日にあった事を話してくれた。 その後の裁判で父は本来は死刑だったが、いままでの功績と人望の厚さで終身刑に止どまった。 それから三年の年月が経った・・・
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