第一章

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ダスクが手を振り上げて、鋭い爪を広げる。 ギラッ、と太陽光に反射して鈍い光が放たれる。 山本の懐に走り込み、振り上げた手を思いっきり降り下ろす。 ズガァァァアアアン!! 降り下ろされた手は、勢いを殺さずに土をえぐる。 砂が辺り一面に舞い上がる。 霞「や、山本くん!!?」 山本の身を案じて、名前を呼ぶ。 山本「大丈夫。俺はあんな雑魚にやられはしないからさ。」 次の瞬間、頭を撫でられながら山本に声をかけられる。 ダスク「?」 ダスクの放った強大な一撃は、空を切り、勢いを殺さずに土に当たった。 つまり、山本には当たっていない。 霞「え、えっ?」 霞には、山本がどう避けてどう自分の近くに来たか、全く見えなかった。 山本「さてっ、と。」 右手を前にかざす。 そして、その右手を光が包む。 余りの眩しさに、目をつむる霞。 光が収まって目を開けて山本を見ると、その右手に棒が握られていた。 鋭い光を放つ、鉄の棒が。 山本「一気に片付けますか。」 そう言うと、目にも止まらぬ速さでダスク目掛けて走っていく。
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