17人が本棚に入れています
本棚に追加
ダスクが手を振り上げて、鋭い爪を広げる。
ギラッ、と太陽光に反射して鈍い光が放たれる。
山本の懐に走り込み、振り上げた手を思いっきり降り下ろす。
ズガァァァアアアン!!
降り下ろされた手は、勢いを殺さずに土をえぐる。
砂が辺り一面に舞い上がる。
霞「や、山本くん!!?」
山本の身を案じて、名前を呼ぶ。
山本「大丈夫。俺はあんな雑魚にやられはしないからさ。」
次の瞬間、頭を撫でられながら山本に声をかけられる。
ダスク「?」
ダスクの放った強大な一撃は、空を切り、勢いを殺さずに土に当たった。
つまり、山本には当たっていない。
霞「え、えっ?」
霞には、山本がどう避けてどう自分の近くに来たか、全く見えなかった。
山本「さてっ、と。」
右手を前にかざす。
そして、その右手を光が包む。
余りの眩しさに、目をつむる霞。
光が収まって目を開けて山本を見ると、その右手に棒が握られていた。
鋭い光を放つ、鉄の棒が。
山本「一気に片付けますか。」
そう言うと、目にも止まらぬ速さでダスク目掛けて走っていく。
最初のコメントを投稿しよう!