第一章

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当のダスクは、見失った山本をまだ探して、あちこちを見回していた。 そして、見付けたは良いが、時既に遅し。 今度は山本がダスクの懐に入っていた。 右後方に鉄の棒を流して、力強く横薙ぎに払う。 放たれた物凄い力は、そのままダスクをぶっ飛ばす。 10数メートル位ぶっ飛び、地面との摩擦で止まる。 ダスクは動かない。 次の瞬間、現れたのと同じように、フッとダスクの体が消える。 山本「弱い、弱すぎるな。“パズル"を使うまでも無かった。」 退屈そうに、頭をかきながら言う。 手の中の鉄の棒も、フッと消える。 霞「・・・」 この一連のやり取りを、ただ呆然と見ていた霞。 当然、何が何だか理解は出来ていない。 立って山本の元に駆け寄って、胸に発生している疑問の数々をぶつけたい。 が、腰が抜けて立てない。 霞「あ、あの、山本くん・・・」 最後の手段、声で、山本を自身の近くまで呼ぼうと、口を開く。 だが、その声も、 柿崎「お、おい、何だよ・・・今の化け物・・・葉一、お前って・・・」 という、柿崎遼の言葉に消される。 山本「松針さんだけじゃなく、遼も“卵"か。」
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