第一章

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山本「ただいま。」 玄関の扉を開けながら、山本が言う。 後に、遼と霞が続く。 「あ、お帰りー。」 奥から、一人の女性が出てきた。 綺麗に整った顔、背中辺りまで伸びた艶のある黒髪、仄かに香る女性自身の甘い匂い。 つまり、凄い美人が奥から出てきたのだ。 「ん?後ろの二人は?」 山本「あぁ、“卵"だ。今日偶然にもね。」 「あ、そうなの。」 会話の内容はどうであれ、山本が女の人と喋っている。 柿崎(葉一が女の人と!?) その事に、少なからず衝撃を受ける。 霞「・・・」 霞は、さも面白くないという顔をしている。 霞(あの山本くんと親しげな美人な人は誰なの!!!!????) 心中は、穏やかではない。 七瀬「ん?何かな?」 霞からの敵意のこもった視線に気付き、美人な女性、蓮川七瀬(はすかわななせ)は聞く。 霞「あ、貴女は、山本くんの何なんですか?」 回りくどい言い方をせず、ど直球で聞いた。 七瀬は一瞬分からないような顔をしたが、すぐに、ニッと笑顔になる。 七瀬「大丈夫!あたしは葉一の何でもないから。強いて言えば、お姉さんみたいな感じかな?」
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