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俺はどこにでもいるような高校生、柿崎遼(かきざきりょう)。
勉強も運動も平々凡々。
“普通"という言葉がピッタリな高校二年生だ。
だけど、俺の友達に、“普通"じゃない奴がいる。
そいつは、今サッカーボールを蹴りながら校庭を矢のように走っている。
今は体育の授業中。
柿崎(あいつが入ると、試合にならなくなるよな。)
心中呟いた言葉の意味。
それは、言葉通りの意味。
ボールがあいつに渡って、得点が入らなかったことは無い。
現に今も、相手チームが総動員であいつを止めようと、一生懸命ディフェンスをしているが、それは骨折り損のくたびれ儲け。
バシィィィン!
校庭に、ボールを蹴る音が響き渡る。
パサァァッ
それと同時に、ボールがゴールのネットに触れる音がする。
柿崎(あーあ、これで24点目。)
最早見慣れた光景。
だが、ため息が出るのをやめれない。
柿崎「ちっとは手加減という言葉を実行したらどうだ?」
こいつは、俺がこう聞くと、必ず
「無理に決まってるだろ。第一、そんなの相手に失礼だ。」
と、言い返す。
こんだけ相手の精神追い込んどいて、よくそんな綺麗な事言えるよな。
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