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言い終わると、相手のボールを奪いに、走り出す。
爽やかな汗をかきながら、早く早く走る。
柿崎(ったく、葉一は・・・)
心中呆れの言葉を漏らす。
だが、柿崎には分からなかった。
今日の放課後、“普通"じゃないやつ、
山本葉一(やまもとよういち)の、もっと"普通“じゃないことを、“異常"とも言える事を見ることになるなんて。
世の中には、かっこいい人は沢山いる。
テレビには、そんな人たちが山のように出てる。
でも、どんなにかっこいい人を見ても、あの人を見ると、霞んじゃうんだよね。
勉強も出来て、運動も出来て、その上イケメンだなんて・・・
反則だよーーー!!!
あー、もう!山本くんかっこよすぎ!!!
こんなことを脳内で回想しているのは、柿崎や山本と同じクラスの松針霞(まつばりかすみ)
今は授業中だと言うのに、自身の白馬の王子様、山本葉一を眺めることに集中している。
ノートも取らずに、ただただ葉一を眺めている。
そんな霞は今日、人生初の大勝負に挑もうと決意していた。
それは、
霞(今日絶対に山本くんに告白する!!!)
だった。
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