第一章

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言い終わると、相手のボールを奪いに、走り出す。 爽やかな汗をかきながら、早く早く走る。 柿崎(ったく、葉一は・・・) 心中呆れの言葉を漏らす。 だが、柿崎には分からなかった。 今日の放課後、“普通"じゃないやつ、 山本葉一(やまもとよういち)の、もっと"普通“じゃないことを、“異常"とも言える事を見ることになるなんて。 世の中には、かっこいい人は沢山いる。 テレビには、そんな人たちが山のように出てる。 でも、どんなにかっこいい人を見ても、あの人を見ると、霞んじゃうんだよね。 勉強も出来て、運動も出来て、その上イケメンだなんて・・・ 反則だよーーー!!! あー、もう!山本くんかっこよすぎ!!! こんなことを脳内で回想しているのは、柿崎や山本と同じクラスの松針霞(まつばりかすみ) 今は授業中だと言うのに、自身の白馬の王子様、山本葉一を眺めることに集中している。 ノートも取らずに、ただただ葉一を眺めている。 そんな霞は今日、人生初の大勝負に挑もうと決意していた。 それは、 霞(今日絶対に山本くんに告白する!!!) だった。
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