第一章

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霞(これ以上あたしの気持ちを抑え込むことは誰にも出来ない!たとえ、世界中の軍隊が出動したとしても止めれない!それほどあたしの想いは強いんだ!!!) 静かに拳を握り締め、ガッツポーズを取る。 先生「松針!聞こえんのか!?」 霞「ほぇっ!?」 突然先生に呼ばれて、自身の脳内妄想から覚めて、現実世界に呼び戻される。 呼び戻されると同時に、驚いて自分でも分からない奇声を発してしまう。 あっはははは! 教室が笑いの渦に包まれる。 その原因を作った本人は、恥ずかしさから顔が燃えているのではないかと思うくらい赤く、熱くしている。 そんな中、チラッと山本の方に目を向けると、やはり他の人と同じで、笑っている。 霞(さ、最悪・・・) 恥ずかしさから、顔を下に向ける。 「霞、あんたまた葉一くんでも眺めてたんでしょ?」 いつも仲良くしている友達から、笑いながら核心を指摘される。 霞(何で告白する前にこんなことになっちゃうのー!!!) 内心で自分の失態を毒づく。 だが、告白をやめる選択はしなかった。 この選択が、霞自身を“日常"と言う名の道からそらす。 それは、柿崎遼もまた同じ。
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