第一章

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山本「やれやれ、間に合った。」 声が聞こえた。 ここにいずれ来たであろう、愛しい人の声が。 山本「この学校に初めて“ダスク"が来たか。しかも狙いが俺じゃなくて、松針さんだなんて。」 自然と安心感を抱かせる優しい声が、霞の耳に入ってくる。 霞(何だか分からないけど、もう、大丈夫だぁ・・・) そう思った途端、ヘナヘナと座り込んでしまう。 山本「まさか、松針さんが“卵"だなんて。信じられないな。」 意味の分からない言葉が幾つか出てきたが、その言葉に注意をはらう余裕が無い。 「ゴアァァァァアアア!!!」 ゴリラの化け物は、苛立たしげに山本に叫び飛ばす。 山本「色々話を聞いて欲しいけど、まずは“ダスク"を始末してからだ。」 敵の叫びに眉一つ動かさない余裕。 山本「ほら、来いよ。」 自身の実力に絶対の自信を持っている、不適な笑み。 挑発するように、人差し指を相手に向け、クイクイと曲げる。 「ガァァァアアアア!!」 その挑発に、簡単に乗ってしまった“ダスク"と呼ばれる化け物。 ものすごいスピードで山本目掛けて走っていく。
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