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「兄貴、そこで…その楽屋に清人さんがいた事に俺もそりゃあビックリしたよ、だって棺桶で目を閉じてた清人さんがスタプレのメンバーと睨みきかして怒鳴りあってたんだからさ。」
「本人だったのか?」
「もちろん!で、清人さんって呼んだら あぁ?って俺をにらんできて…そんで俺は何から聞いていいか分かんなくて…したらなんか近づいてきて…んでなんか笑われて…そんで…」
「んん…ちょっと待て」
「いや!それでさ!」
礼二は話を止めず足を組み直した
「俺が分かったみたいでさ! でも久しぶりだなぐらいでその時はあんまり俺と話してくれなくて隅のイスで座れって言われたんだよ、それ見てたスタプレのメンバーも何か笑い出してさ、でその後気づいたんだけどよくよく考えるとただ最前列で一番ダイブしていた東洋人で目立ってたからって楽屋まで呼ばれたのはおかしいって思って…そんで清人さんがいたって事は清人さんが俺を楽屋に呼んだんだって思ったんだ、んで多分そうなんだ」
「会場の人数的におまえをその時だけで確認できるか?」
俺がそう言うと礼二が目を細めて言った
「鋭い」
むかつく、俺は礼二の話が本当なのか不安になってきた、それでも聞くのは礼二が持っているその時の写真とやらがあるからだ、スタプレとかいうメンバーは写っておらず、白い壁をバックに清人と礼二が赤い目をして中指を立てている写真、これを昨日礼二が俺に見せたのだ。
今もソファーの横の戸棚に置いてあるその写真には俺の知る限り髪など一度も染めた事のない清人が金髪で虚ろな目をして写っている
「それで?」と俺が言うと、少し声のトーンを落として礼二はいよいよ核心に迫ってきた
「それで俺はその日のうちに何で清人さんが生きてるのかっていうのとなんでロシアで俺の前に現れたのか全部分かったんだ」
「何でだ?」
「清人さんに今日直接聞けるよ、ついでに二千万は何に使ったかって言うと清人さんに兄貴を会わせる為なんだ、清人さんのいる学校があって其処に今日これから一緒に行くんだよ」
話の後半がよく整理できずにいる俺が口を開くより早く礼二は腰を上げる、車のキーをポケットの中でチャラチャラ鳴らしながら
「車、車庫から出してくる」
そう言うと玄関のドアを開けて外に出て行った。
俺は最初からあの頭の足りない弟に全てを聞くより、清人と会って話ができればそれが一番良いと思っていたもだから、この際もう
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