クリスマスの電話

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限界だった。 疲労も、不安も。 なんで、よりによって。 クリスマス前に急に電話なしとか、本当きつい。 辛くて辛くて、なんだか苦しい。 そんな不安を喉の奥にしまって、電話をかけた。 『…』 1、2、3、4コール… … …でない。 10コールするまえに、私は電話をきった。 『なんだよ、もー!』 思わず声がでる。 やっぱり遊び? 私、遊ばれちゃった? そんな遊び人が、初めての人だなんて。 人に聞くと、初めての人は、例えどんな人でも忘れられないっていう。 確かに、そうかも。 なんだか悔しい。 鼻息荒く、駅に向かう。 すると、タカから電話がかかってきた。 5日ぶりの、電話だ。 『もしもし』 不機嫌そうに、私は電話をとった。 『もしもし?どうした~?』 どうした?じゃねー! 『なんで最近電話なかったの』 『…忙しかったんだよー!』 そんなの私もだし! 確かに、社会人と学生バイトは、忙しさの種類が違うかもしれない。 でも、その時を精一杯やってるんだ!って、思う。 『でも電話くらい欲しかったよ』 『…寂しかったの?』 悔しい、 でも、 寂しいに決まってる。 よく、 〔押してだめなら、引いてみろ〕 っていう。 あれ本当だ。 毎日かかってきた電話が、急にこなくなると、 ペースが乱れて、いつのまにかおかしなことになる。 『遊ばれたと思った?』 『…うん』 『そんなことしないよ』 …なんだかなぁ。 こころの中で、 じゃぁどういうつもりだよ! って、思ったけど とりあえず、涙がでて仕方なかったから、 それ以上は何も言わなかった。
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