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二月。
普通に、電話をするようになった。
土日の仕事帰りに、電話がかかってきた。
『ねえ、俺いってみたいジャマイカ料理屋さんあるんだけど、付き合って』
私に選択権なし、ですか。
でも正直、私そういうほうが好みだった。
自分が優柔不断だから、決めてもらえると、楽。
バイトがあった場所に、タカが車で迎えにきてくれた。
どうやら、そのジャマイカ料理屋が私のバイト先の近所にあるらしい。
こじんまりとした料理屋につき、また路駐して、店に入る。
カウンター席が6席位、テーブルが5席位の、アジアンな雰囲気のお店だ。
店の奥にはなぜかダーツがあり、カウンターには常連みたいな女の人が座ってるだけで、結構空いていた。
店に入り、車が視界に入る席に座る。
店員さんが、水とメニューを持ってきた。
『好きなの頼んでいいよ』
『うん~…』
そう言われても、
ジャマイカ…
料理名をみて、どんな料理か見当がつかない。
『まかせるよ』
私がそういってメニューを返すと、
『そうだな~』
タカは一通り目をとおして、6品くらい頼んでくれた。
やっぱり、こういう所が、私のツボらしい。
料理がじょじょにでてきて、少しずつ食べながら話をする。
私が話しているとき、タカはうんって頷きながら、私の料理を取り分けてくれていた。
しまった、これきっと女の子がやるとこだ…
『ありがと』
『ん?何が』
…ありがと言う所、間違えてないよね?
『や、この料理。』
『あぁ!いいから食べな』
タカは、一人旅とか、おいしいものめぐりとか、好きらしい。
だから、私たちの関係の肩書き、
『ご飯友達でいいじゃん。一人より複数の方が、ご飯おいしいし』
…ということになったみたい。
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