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タカと私は、お互いに忙しかった。
タカは土日も仕事だし、私も学校やバイトが忙しく、平日会うなら夜に私の家、土日の仕事が一緒だったら、食事にいったりする程度しか会う機会がなかった。
今まで、会うときは、タカの方から連絡があり、私も空いてれば会うかんじだったけど、
2月、バレンタイン。
なんとなく、渡したいと思った。
甘いものが苦手なタカ。
スタバのコーヒーが好きな、タカ。
バイトの帰り、私はスタバに寄った。
『…これ、いいかも』
手にとったのは、黒のマグカップと、エスプレッソチョコのバレンタインギフト。
黒のマグならあっても平気だし、
エスプレッソチョコならそこまで甘くない。
値段も手頃だし、これにしよう。
すぐに、購入した。
バレンタイン→手作りって、思ってる女の子はたくさんいる。
やっぱり、手間をかけた方が気持ちが伝わる気がするからかな。
私は別に料理が苦手ではない。
でも、
うまいものめぐりが趣味のタカ。
グルメなタカを唸らせる自信が、私にはなかった。
チョコを買ったのが、2月12日。
バレンタイン間近だ。
『…』
せっかくだし、
バレンタイン当日に渡したい。
『…』
少し迷った末、私はタカに初めて自分から電話をかけた。
生まれて初めての、本命チョコだ。
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