金曜日の手紙

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立とうと思ってはみたものの、今更立ったところで皆はもう座る間際だ 無駄だと判断し再び突っ伏す 状況確認をしたところで、眠気さんがまた顔を覗かせたようであった 「ずっと寝てたね」 ざわつきだした教室の音に紛れず、可愛いキャンディボイスが私に届く 億劫に思いながらも頭を上げると見慣れた供の顔があった 「早苗恵(サナエ)か…何か用?」 「あんたに手紙だよ」 何だか苛々している口調だった そしていつもより荒々しい動作で予想を軽く上回る大きさの封筒をつきつけてきた かったるい動作でそれを受け取る ひっくり返しても差出人の名はない 「誰から?」 「狩野よ」 早苗恵は吐き捨てるように言った
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