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背中に日差しの温もりを感じた。
私は瞼をゆっくりと開けた。太陽から放たれる光の眩しさのせいで、瞼を完全に開けるまでには時間がかかった。
何とか目を開いて、起き上がった。
ずっと寝ていたせいか、頭の中がふわふわしてはっきりとしなかった。まるで頭に綿菓子が詰まっているかのようだ。
私は寝床の上で座ったままぼーっとしていた。
辺りは不思議なくらいに静かだった。この世から音が消え去ってしまったかのような気持ちになった。
だけど、私にとっては好都合だった。
だって、静かな方が気持ちよく眠れますもの。
頭上から降り注ぐ柔らかな日差しが再び私を眠りへと誘う。
ついさっき半ば無理矢理に開けた瞼が徐々に下がってきた。私は襲ってくる眠気に出会うと同時に白幡を振った。これに対抗する術を私は持っていなかったし、持つ必要もなかった。
寝床に潜り込もうとした瞬間。
耳をつんざくような音が聞こえた。
私は跳び起きた。
耳を塞ぐ間もなく、再び悪魔の声とも呼ぶべき叫び声が聞こえた。
皮膚上に悪寒が走った。眠気もどこかへと吹き飛んでしまった。
悪魔のような声は数分の間辺りに響き渡った。立とうとしても足に力が入らず、数分間、体を丸めていることしかできなかった。
体を縮めていると、その叫び声はぷっつりと途絶えた。
声が聞こえなくなった後も、しばらくは別の意味で寝床に潜り込んでいた。声が完全に消えたことを確認してから、ゆっくりと寝床から這い出した。
体を恐怖が取り巻いた後、激しい怒りが体の底から沸き上がってきた。
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