―序章― 異世界の扉

4/4
前へ
/29ページ
次へ
ウィザールは、ゼルンの杖を変型させ、ゼルンソードにして対抗した。 クロルは左目からは炎を、右目からは氷を、帽子の目からはビームを発射してきたので、ウィザールは苦戦を強いられた。 だが、しばらく戦っているうちに、クロルのあるところに気付いた。攻撃を避けてもクロルは追撃して来るのだが、ウィザールの動きを見ているのは、帽子についた目だけだった。 (あの目を封じればもしかしたら勝てるかも) そう思ったウィザールは、閃光の呪文を唱えた。そしてクロルの帽子の目を封じたウィザールは、後ろから一気に攻め、クロルを棺桶に封印した・・・・・・ 「・・・・あっ、見えてきた・・」 次元の遺跡は、三年前とほとんど変わってなかった。ウィザールは棺桶とゼルンの杖を持ち、迷わず遺跡の奥へと進んでいった。 あの部屋だけが少し変わっていた。戦った時の瓦礫はなくなっていて、代わりに一冊の本が落ちていた。 「・・・・本?」 読んでみようと手にとったその時、大きな穴が現れて、手当たり次第に周りの物を吸い込み始めた。ウィザールは必死で逃げようとしたが、力に負け、とうとう、棺桶、杖と一緒に吸い込まれてしまった。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加