3 無口 VS 傲慢 前編

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■■■ 「―――」 「―――」 飛行機に揺られ、幾度の時間が流れたことか。飛行機に憧れはないし、あまり乗り気もしなかった。 しかし、時間と言う制限が一応あるので、これが最も有効だと考えたのだ。 「セン、顔色、悪い」 「寝不足だ。気にすんな」 ポツリポツリと単語句切れに話しかけるのは、見た目は20台(正確な年齢は27歳)しかし正確には50年以上生きている、ラミールである。 因みに、俺の身体の構造や機能上、寝不足など有り得ないのだが、ここは嘘偽りで。……ああ、酔った訳ではない。寝不足が有り得ぬように、そのこともまた、有り得ないのだ。 因みに「セン」とは、この俺、セントリア・ラーナードの渾名(コイツのみ使用)である。 (うっわ!周りの視線痛っ!) 当然である。 季節は夏(2章では記入しなかったのです、すいません)。そんな季節に、誰が俺達二人を気にしないだろうか。 俺の服装は、全身真っ黒な服装。しかも暑苦しそうなジャンバーの様な服(しかも長袖)に、黒いジーンズである。靴は黒い革靴。 襟元にはモコモコの綿が付いている。これもまた黒。手には手袋を付け、ポケットに入れている。手袋もまた黒。頭には黒いニット帽を被り、綿と帽子の所為で顔は目元以外隠れている。 全身真っ黒の暑苦しさが展開している。しかし、これまた俺にはちっとも暑くないのである。 一方、ラミールの服装は白いワンピース。本来なら肩の出ている袖無しのワンピースの上に、白い上着を着ている。 脚元は白いハイヒール&ニーソックス。 髪の毛は銀のロング。それが綺麗に肩甲骨の下辺りまでスラーッと流れている。 傍から見れば白と黒。そんな異常ともとれる二人組。あ、因みに少し(5cmくらい)だけ、俺の方が身長が高い。 ―――訂正。俺達二人じゃなくて、俺だけが暑苦しいのだ。 「じゃあ、何で、顔色、悪いの?」 「……」 あーあ。どうしよ。本当の事言うと、絶対コイツ説明を求める。 まぁコイツの心配は、実際“体調が存在しない”俺が、体調を悪くしている、という単純な結果からの答えなのだから、正当な理由なのである。 「いや……まぁ、昨日色々あったの」 「……ふーん」 と、ラミールは納得。そこでこの会話は終了した。 現実的に言えば、俺の理由も正当なもので―――これから会う人物、に起因しているのである。
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