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バスルームからシャワーの水音が絶えず聞こえる。
ベットから起き上がる。
頭が痛い。
シーツを乱暴に蹴った。つもりだったが、上手く力が入らずシーツは形を変えただけで、依然として足下にまとわりついたままだった。
どうも体が重い。
熱があるのかもしれない。
手のひらを額に当ててみるが、手のひらも熱を持っていてよくわからない。
ずるずるとベットから滑るように降りる。
頭は痛いが、バスルームが気になる。
体を引きずりながら半ば這うようにしてバスルームに向かった。
水音は止まない。
シャワーを止め忘れたか?
それとも今日は誰か来ていたっけ?
思い出せ。思い出せ。
昨日は、確か、仕事でくたくたになって帰ってきて…。
風呂に入らず、寝たんだ。
そうか。この体の重さは疲れからか。
きっと風邪でも引いたんだろう。情けない話だが。
しかし、風呂に入ってないと言うことは、止め忘れではないようだ。
誰か来ているのか。それなら随分待たせてしまったのかもしれない。
誰だ?上手く頭が働かない。
そうしているうちにバスルームの前まで来た。
相変わらず頭が痛い。
バスルームの曇りガラスにはうすぼんやりと人影が確認できる。
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