第4回 (2008年6月3日)

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俺は祖父にとっての初孫だったせいか、特に可愛がってもらった事を、よく覚えている。   まだ一軒家に住んでいた頃は、遊びに行く度にお菓子をもらい、本を買ってもらい。 本当に、可愛がってもらっていた。   今思えば、俺が本好きになり、こうして物書きの真似事をするようになったのは、祖父のおかげだったのかもしれない。   だけど、初孫のクセに、結婚して曾孫どころか嫁さんすら見せられず、定職にもつけず、本当に駄目な孫で、ごめん。   今の実家の近くに一軒家を買ってからは、クリスマスや正月、イベントがある度に、祖父の家でご飯を一緒に食べて、みんなでテレビを見て、一緒に笑って。 こんな幸せな時間が、いつまでも続くものだと、勝手に思いこんでいた。  
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