末永 巧

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俺は孤独だった。 正直親父をすごく恨んだ。 病気の時すら親父は家に居なかった。金だけ置いて家を出てった。 バカな親父。病気の子供がひとりで買い物行けるかよ。 俺は親父にとってどうでもいい存在なんだって悟った。 親父は母さんが好きで、俺はその母さんを親父から奪った存在。 恨まれても当然だ。 母さんと同じ顔の俺を見てると親父は辛かったに違いない。 俺は少しでも親父に嫌われないように生きていくことにした。 親父もそんな俺に金だけは与えてくれた。 だから一応感謝はしている。 まっ俺が本当に欲しかったのは金じゃなかったんだけどね。
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