記憶の天才

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大学は徒歩で10分くらいの場所にある。 大学までの道を歩いていると拓哉はギターケースを担いであるく男を見つける。 「茶髪に長身、それにあのギターケース間違いないな」 「加地さん!!!」 拓哉がそう呼ぶとギターケースを担いでいた男が振り向く。 「おぅ!!拓哉じゃんなにしてんの?」 拓哉に呼ばれて振り向いたギターケースの男は、加地 亮 年齢では拓哉より2つ上だが同級生だ。 そして、人見知りな拓哉の数少ない友人の一人だ。 「なにしてんのって、加地さんと目的は同じだって。加地さん勉強した?」 「俺に勉強なんざ必要ねぇ────さ」 加地が微笑しながら言う。 「まぁ加地さんの記憶力なら必要ねぇよなぁ~」 拓哉は羨ましそうに言う。 「まぁコレが天才の実力だよ拓哉くん!!!記憶力に関しては凡人の拓哉くんはさぞ頑張ったんだろーねぇ~」 勝ち誇ったように加地は笑った。
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