ニート3分間クッキング

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午前2時15分。 俺の一日の始まりだ。  入れっ放しのパソコンのマウスを動かすと、スクリーンセーバーのユラユラした線の集まりが消え、『魔法少女アンニュイひな♪』の壁紙が俺に微笑みかける。  ネットテレビを起動した。 3年前の放送開始当初から、毎日見続いている番組が始まる。  別に大したものではないが、俺達の生活スタイルをよく研究していると感心してしまう。 軽やかなテーマソングが流出す。 この曲もわりと気に入っていて、ケータイの着信音にしている。 『みなさーん。おはようございます。元気に引きこもってますか?ニート3分間クッキングの時間です。』 司会は、彼女で三代目だ。 俺的には初代の娘が露出度が高くて好みだった。 『本日の講師はニート歴1年のアヤさんにお越し頂きました。』 俺は思わず身を乗り出した。 …ニート歴が浅く彗星のごとく現れたアヤちゃんは、仲間の間でもかなりの評判だ。 お菓子専門の為、滅多に出てこない上に、そのファッションは萌要素が高い。 スーパーレアな存在だ。 『今日は意外に簡単、本格派手作りアイスクリームです。まず材料のご紹介です。メモのご用意をお願いします。』
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