第二章……『死亡時刻のお知らせ手紙1』

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7月10日。 ――意識はしていなかった。 気負っているつもりもなかった。 ただ、その日もいつもと同じように……学校に行って、皆とお喋りして、授業を受けて、帰ってきた。 いつも通りに、いつもと同じように、過ごしただけだった。 ……それでも。 それでも、私の胸の中から厭なモヤモヤが消えなかったのは。 どこかで、意識していたのか。 無意識下の所で、自分でも気付かないところで……あの手紙が、焼き付いているからかもしれない。 「あは……何考えてるのよ、私ってば」 厭な予感を振り払うように、笑ってみせる。 そんな事、あるわけがないと。あってはならないと。 「そ、そうだよ、そんな……私の首が、首が、そんな――」 ――ゴギン 鈍い音――。
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