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――アズの言葉に、灯志郎はため息を吐いた。
「……まあ、その。そーゆー展開かな、とは思ってたけど」
改めて宣言されると、こう、気が滅入るのを堪えられない。
゙――ちなみにですが、トーシロー……私、今日からこの家に住むですから……よろしくです――゙
「ハァ……倫理的にどうなんだろ、今の僕?」
いやまあ、誰が見たってアウトだとは思うのだが。
若い男女が一つ屋根の下で二人っきり……漫画などではありがちなシチュエーションで、男子として一度は憧れてみたりするものの、実際そうなったら結構きついと思う。
――特に、そう。
「志郎ちゃ~ん、遊びにきたよ~!!」
知人にどう説明するかが問題なワケで……っていうか、
「涼音、チャイムくらい鳴らして入ってこいって、いつも言ってるよね!?」
「えへへ、忘れてた」
「えへへ、じゃねぇよ!反省しろよ!」
「反省、してるよ?」
「嘘吐け!満面の笑顔で何言ってるんだよ!」
「……うぅ、志郎ちゃん?怒ってると、可愛い顔が台無しだよ?」
「出てけ!もうお前、出てけよ!」
「あっ、志郎ちゃん!?」
「な、何?」
「この可愛い子、誰!?」
「気付くのが遅いよ……」
相変わらずの掴み所の無いテンポに、灯志郎は言い様のない倦怠感に襲われたのだった……
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