お小遣い

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弁当には…白いご飯。 もちろん、LOVEとかの文字は無い。 それに…鮭! しかも、臭い…! この鮭はクサヤか?と思う程、臭い…!!! これは…新手の嫌がらせなのか…? 昨夜…何かしたか?俺。 だが…考えている場合ではない! 昼休みは残り少ない…… 白飯だけ食べるか…? しかし…鮭が白飯の上にドドンと乗っている! この異様な匂いが…白飯にも移っているに違いない…! しかも漬け物も梅干しも無く、おかずは鮭のみ! う~ん? この弁当を攻略する方法が見つからずに悩む。 仕方ない…食べよう!! 朝食をあまり食べてなかったせいで、腹の虫が鳴っていた。 空腹を堪えきれず…箸を持った! 一口……… 白飯だ…! ちょっと臭うが気にする程ではない…。 さすがに鮭を食べる勇気はなかったが…鮭の下の白飯は食べた! …かなり…ヘビーだ… 涙目で弁当を食べる俺。 部下の目にはどう映ったのか………? とりあえず、俺の昼食は終わった…! 午後からは会議がある。 俺の案を、ちゃんと皆に説明しなくては…!! 会議が始まり…俺が皆の前に立つ。 「え~お手元の資料をご覧になっ……ううッ!」 突然起こる激しい腹痛! その場に崩れ落ちる…。 「係長!伊藤さん?!」 遠くで皆の声が聞こえる 救急の担架に乗せられ運ばれる…俺。 …ああ…帰りのビール… 俺は病院に運ばれた…。 処置が終わり、診断を聞いた。 医師「珍しいですね…」 …はぁ?何か凄い病気なのか?…… 家族の顔が脳裏に浮かぶ 黙っている俺に…医師は言った。 「珍しいですよ…この季節に食中毒。何を食べたんですか?」 …ああ…鮭だ…あの臭い鮭…クサヤのような…… 俺は黙ったまま俯いた。 「点滴と注射、打っておいたので大丈夫でしょう…お大事に」 俺は会社に連絡を入れ… そのまま家に帰った。
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