幼馴染みの彼

幼馴染み

　　　　　　　　　　　　　
「……ﾊｧ…ﾊｧ…疲れたぁ…」

ギリギリ、間に合った
教室に入ると男子からの冷やかし声が聞こえた

「よっ。仲良いね」
「ウッセ！」

愁は顔を赤くしていつも怒る
私はそれがよくわからない
愁のことは好き。だけど恋愛対象にはならない

「由宇、愁と仲良いよね…いいなぁ…」
「弥生…意味分かんないよ…」

霜月 弥生。私の親友
弥生はため息を付いた

「はぁ…何言ってんの？由宇、愁は顔は良いし、スタイルは良いし、運動も出来るし、頭だって良いんだよ？由宇、もったいないって」
「…そんなこと言われても。単なる、幼馴染みだし」
「だったら、なんで一緒に登下校すんの？」
「や、朝起こしてくれるから」

弥生がぽかんとした。

「…それだけ？」
「んー…あ、あと、愁と話してると楽しいし」
「……ご愁傷様ね、愁」

弥生が手を合わせた

「なんでっ!?」
「だって…由宇、鈍いじゃん。愁、可哀相………ん？それとも両想いなのを隠してるとか？」
「も、妄想しないでよっ！」
「や、だって大した理由もなしに登下校…付き合い始めたとか…」
「幼馴染みだってばっ!！幼馴染み!!」

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ…

チャイムが鳴った
急いで自分の席に着く
隣の席には………愁