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─旅人─
─どれだけの月日を共にしているだろうか─
"彼"との出会いを通じ、新しい自分に出会えた気もする。
"町"での暮らしも安定し‥周りの人も、私を理解してくれる。
でも、やはり私は旅人なのか。そこに永住するわけでもなく‥次の町を目指すのだろう。
"町暮らし"に憧れる事もある。そりゃ‥誰だって安心して毎日を送りたいものだろう。でも‥そこに"満足してしまう事が怖い"
お洒落して着飾ったり、ちっぽけな存在の自分なのに‥必死になって守ろうと努力する。
私は、そんな事をする為に生きているのではない。
『決心が出来たよ』
ある日の朝。少年は小さなリュックを背負って、町外れの丘の上にやってきた。
私は、しばらく"彼"の事を見て‥「いつでも出れる支度は出来ていたよ。
ただなかなか決心がつかなかったんだ。
でも、平気だ‥‥今日、発てる」
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