零・俺の一生

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 基本的に俺はツイてない。  早く起きれたと喜べば休日で、早く起きなければいけない日に限って二度寝する。  外に出れば轢かれそうになるし、ちょっと歩くと犬の糞を踏むんだ。  それでも明るく元気に学校に行くが、クラスに馴染めず孤立してる始末。勇気出して話し掛けるんだけど、男子も女子も無視してケラケラ笑うだけだった。  そんな生活を続ける事三年。  三年A組、三十人全員参加の卒業旅行は、巨大な遊園地。俺はどのグループにも入れず一人で回る。  これが終われば彼等とはお別れ。もうほとんど会う事もなくなるだろう。  そう、俺は来月から大学生になる……はずだった――――。
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