34人が本棚に入れています
本棚に追加
今日で最後だからと、二人で同じ布団で寝た。そうしてたら、最初の子作りの日以来、Ｅの方から誘って来た。最後になるのだから抱いて…。僕は、断りもなく誘われるままにＥを抱いた。けど、中に出すことは出来なかった。終わった後、お互い、服も着ないで抱き合っていたその時、Ｅが泣きだした。もう一度やり直そう…そう言ってきたのに対し、ごめんね…その言葉しか出てこなかった。少しだけ涙は出たけど…十三年前にも、同じようなことがあったような気がした…
嫌いになったはずなのに、嫌いになれてない自分がいた。だからといって、もう一度好きになれるの？と、聞かれたら、そうではない。と答える。嫌いじゃないけど別れるのはこういう事だと、身をもって、初めてわかった。そして、朝が来て、僕が先に(仕事に)行って来るよ。と、いう。行ってらっしゃい。Ｅの返事。それが二人のさよならのあいさつだった。仕事から帰って、玄関のドアポケットにＥが使っていたこの部屋の鍵が入っていた。その鍵を握り締めて、座りこみ、今まで僕のわがままに付き合ってくれて、本当にありがとうね。そしてお疲れ様。心の中でそう叫んだ…
最初のコメントを投稿しよう！