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そう言った君は、細い呼吸をして、白い薔薇に囲まれて居た。
狭い棺の中では、両手に抱えられる程の薔薇しか、君に与えてあげることしか出来ないけれど。
済まない。
君の好きな色の薔薇ではなくて。 でも大丈夫、すぐに紅くするから…。
入念に研いだ銀色の短刀を、深々と君の躯に刺し入れて。
君の【紅】で染めた薔薇で赦しておくれ、
愛しい君。
紅い薔薇に囲まれた君は、どこかしあわせそうだ。
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