伝えるために

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とうとう私が呼ばれた…もう待合室には誰もいない…緊張と不安が襲う…中に入るとそこには花夜がいたりと人が多かった。 「…空さんのテーマはなんですか?」 審査員は空を見て今までの人達とは違う空気が気になっていた。それは花夜も羽矢も同じ事だった。 「(可愛いなぁ~…でも表情がない子なんて初めてだな…こりゃ落ちるかな…?) などと羽矢は心の中で思った。当然羽矢が思うぐらいだから審査員の人達も同じ事だった。 「…テーマは…『桜の花』です!」 私はそう言った。その答えに審査員や花夜、羽矢も驚いた。今までの子達は感情や自分を出した人が多かったのに空だけ人とは違っていた…。 「…桜の花ですか…それではカメラマンによる撮影をします。」 そう審査の人が言うと、佐藤さんが来てカメラを手にニコリと笑った。そしてレンズ越しに私を見た。 「…それでは撮影を始めます…自分の伝えたい事をお願いします!」 そう言われた時、私の中に朝見たときのあの桜の木があった。そして10枚のポラを撮り始めた。 「…不思議な子ですね」 「…メイクは素晴らしい…服と良く合っていますね…」
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