旅立ち

2/7
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
朝、いつもと変わらぬふぬけ顔で一騎は出勤した。 「一騎、社長今日はどんな仕事って言ってた?」 と寝ぼけ顔で話しかけて来る男は、ビルという中学からの友人である。 「あ?今日はあいつを壊すんだとさ」 とこうこうと太陽に照らされ目をしかめ、目の前にそびえる巨大なコンクリートの廃虚を見て言った。 「今日はダイナマイトで壊せよ。」 いつも口を酸っぱくして一騎がビルに言っている事である。 「わぁーってる、わぁーってる」 そう言い捨て話も聞かずにソイツの元に行った。 「いつも蹴り壊して怒られているんだからな。」 普通に聞くとすごい会話だ・・・でもビルはビルくらいなら一蹴りで壊せるのだ。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!