4721人が本棚に入れています
本棚に追加
『今は、そっとしといたって』
土橋っちゃんに、最後にそう言われて電話を終わった。
───あの日。
いつものコンビニで20時に待ち合わせをして、男友達が車2台で現れた。
1台は軽四。
もう1台は1BOXカー。
軽四は、二宮の地元の男友達Mが運転をし、同じく友達のYが横に乗っていた。
2人とも16才の高校生で、もちろん無免許だ。
1BOXには、Mの先輩で18才の社会人TとKが乗っていた。
二宮とユウはその車に乗るように言われた。
二宮は助手席に、ユウはKと後ろに座った。
ドライブの行き先は地元の山。
時間帯によったら走り屋の車なんかがバンバン走ってる、地元じゃ有名な場所だ。
二宮たちはTとKにもう何度も会っている。
車内ではお酒も入ってで、話が尽きることがなかった。
車は山道に入り、どんどん奥へと進んで行く。
『ね~どこまで行くん~?』
【まだまだ行くで~えぇとこがあんねんって】
Tは運転しながら二宮に答えた。
二宮は山道ばっかりで少し飽きていた。
二宮がふと後ろを見ると、もうすでに酔っ払ったKの様子がおかしい…。
(ユウ?…触られてる?)
最初のコメントを投稿しよう!