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保健室
土橋っちゃんと電話して以来、二宮とユウはおろか、誰とも会わずに夏休みを過ごした。
───そして新学期。
真っ先に私は2人の姿を探した。
4組のユウは…来ていた。
どんな顔をして会うべきかが分からず、顔を出すのをためらっていると、意外にもユウの方から声をかけてきた。
『サ~ク、久しぶり~』
「ユウ……久しぶり…」
『なんちゅう顔しとんよ?』
穏やかな顔でユウが聞いてくる。
「う~ん…正直どんな顔していいんかが分からへんくて…。」
『土橋っちゃんから…聞いたんよな?私らのこと…。』
「うん…。ユウ大丈夫なん?」
思わず涙目になって聞いていた。
するとユウも涙ぐみながら、それでも…ほんと穏やかな顔で、口調で答えてくれた。
『大丈夫やで。私らもあんなんについて行って…ほんまアホやったわ…。でも…あんなん…嫌やったわ…』
そう言い終わると、我慢していたものが一気に、涙となって溢れ出した。
ユウ…辛かったよね。
悔しかったよね。
よく頑張ったよ…。
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