4721人が本棚に入れています
本棚に追加
二宮の部屋は閉めきっていて薄暗かった。
クーラーがよく効いていて、扉を開けた瞬間、ひんやりとした空気が流れて来たのを覚えている。
そんな部屋の中で、二宮は部屋着のまま、ベッドにもたれるように座っていた。
ユウと土橋っちゃんは床に散らばった物を適当に退かして座ると
『サクちゃんも入り~』
とスペースを空けてくれた。
私も部屋に入って座ると、2人は早速、二宮と喋り出した。
『────────サクちゃんも心配しとったんやで!!なぁサクちゃん?』
急に自分の名前が出たもんだから驚いて、慌てて会話に入る。
『サク~心配かけてごめんなぁ。わざわざ家にまで来てくれてありがとう。』
と言う二宮の顔を見て…
私は安心した…。
二宮が笑顔だったから…。
ホッとして涙が溢れた。
ほんとは自分が被害者なのに、友達に気をつかって。
そんな二宮の優しさが痛いほど伝わってきた。
二宮…もういいんよ。
無理せんでいいんよ…。
その後、4人で散々泣いて笑って『明日学校で!!』と言って別れた。
最初のコメントを投稿しよう!