37人が本棚に入れています
本棚に追加
待機所は一階の奥にある。
従業員用の扉の先は、別世界。
嘘みたいに豪華な内装は一変し、
小汚なく狭苦しい。
薄暗く、細い廊下の右手には天井まである棚にぎっしりお仕事道具が積まれている。
左手には下駄箱。
キラキラしたハイヒールが並んでいて、
あたしも大人になったらコレを履くのかな…と想像する。
「…よし。」
あたしはさっとお姉さん達の道具や靴にイタズラがされてないかチェックする。
女とは恐ろしいもので、何か気に入らない事があると
平気でハイヒールに画鋲を忍ばせたり
お仕事道具を隠したりするのだ。
あたしはその【芽】を早めに摘んで、事が大きくならないように努めなきゃならない。
だって最終的に怒りの捌け口に虐げられるのは、
あたしだもの。
最初のコメントを投稿しよう!