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もしこんな風に、あなたに手をふる事が最後だと知っていたなら。
私はあなたに触れ、あなたにすがり、あなたをきつくだきしめるだろう。
もしこんな風に、あなたの寝顔を横で見るのが最後だと知っていたなら。
私はあなたを寝ずに見続け、瞬きもせずにあなたを目に焼き付けるだろう。
もしこんな風に、あなたが家から出るのを見送るのが最後だと知っていたなら。
私はあなたが遠い彼方に消えるまで見送り、あなたが消えてもなお遠い彼方を見つめ続けるだろう。
もしこんな風に、あなたを抱きしめ肌で感じる事が最後だと知っていたなら。
私はあなたが苦しそうにもがいても、腕をきつくしめ、なかなか離そうとはしないだろう。
もしこんな風に、あなたと笑いながら食せるのが最後だと知っていたなら。
私は食べるのをやめ、あなたに食材を全てあげ、あなたを微笑みながら見つめるだろう。
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