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~さこん~
悪魔だった……
僕は賭に負けてしまったんだ。
僕は僕の後ろをなにもはなさずついてくる彼に
背中の全神経を集中させながら目的地へと歩いている。
悪魔との契約にはなにかデメリットがつきまとうんだ。
さっき彼に言われた言葉は洗っても落ちない油みたいに
僕の心に不気味にへばりつく。
<お前カモられんで>
そうなんだ。
いつだって僕は周りの人間のいいカモだ。
そしていつだって
そいつらの頂点には彼みたいな悪魔が君臨しているんだ………
あぁ…
考えれば考えるほど心についた油は濃度を増すようだ………
どんっ
………しまった………!!!!!!
「いってぇ……………
おぃ、てめぇ…」
「ごっ…ごめん、ごめんなさいっ!!」
考えに集中しすぎて僕は不覚にも
当たり屋にあたってしまった。
これも悪魔パワーか……
無念だ……
僕は殴られるまえに財布を出そうと鞄を探る。
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